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技術コラム

切削工具と陶磁器

2021.06.02

切削お役立ち情報 No.17

サーメット、CBN、ダイヤモンドに引き続き、超硬以外の材質、今回はセラミックス(Ceramics)の説明です。

セラミックスとは、広義には、陶磁器全般を指しています。一般的に陶磁器というと、窯を用いて焼成する焼物が馴染み深いでしょう。東日本では、瀬戸物、西日本では、唐津物などと呼ばれ、親しまれており、日常的に数多く利用されています。

日本で代表的な焼物の生産地の一つが、有田(佐賀県有田町)です。そこで作られたものは有田焼と呼ばれており、朝鮮出兵の際に渡来し、有田東部の泉山で白磁鉱(有田焼の原材料)を発見した、李参平が開祖と言われ、国内外問わず、数多くの陶磁器が輸出されました。

 

イスカルのセラミックチップ(IW7)

 

美しい有田焼の作品

 

有田焼は、左図のように大変美しい焼物ですが、地面に落とすと、すぐに割れてしまいます。この特徴は、切削工具として利用される際のセラミックスにもあてはまります。つまり、非常に硬い材質ですが、大変脆い性質を持っているのです。(硬度は高いが、靭性は低い)

切削工具としてのセラミックスは、Al2O3(酸化アルミニウム=アルミナ)を主成分とした焼結体です。切削工具として利用され始めた当初は、陶磁器と同じく、靭性にやや難がありましたが、短所を克服するため、様々な研究開発が行なわれてきました。

 

現在市販されている代表的なセラミックス工具は、大きく分けて、4つあります。

①アルミナ系 ②アルミナ炭化物複合系 ③窒化珪素 ④サイアロンです。

下記は、セラミック材質毎の特徴をまとめたものです。

①Al2O3(白色):純アルミナ。白セラと呼ばれる。耐摩耗性に優れるが靱性は低い。鋳鉄の衝撃のかからない低送りの連続切削に適する。周速600~800m/min前後での使用が多い。

②Al2O3+炭化物(黒色):黒セラと呼ばれる。純アルミナに比べ、靱性が改善されている。鋳鉄の連続切削や軽度の衝撃を伴うミリング加工に利用される。水溶性クーラントを使用すると、サーマルクラックを起こすことがある。

③Si3N4(黒色):窒化珪素を主成分とする。アルミナから作られたものに比べ靱性に優れ、熱にも強い。黒皮のあるワークの加工や、若干の断続を伴うミリング加工も可能。インコネルなど耐熱合金を周速50m/minほどで加工することも出来る。ただしクレーター摩耗の進行が早いので、一般的な鋼材には向かない。

④Si3N4+Al2O3(灰色):窒化珪素粒子にアルミナ成分を固溶させたもので、窒化珪素よりも耐熱性・耐摩耗性に優れ、耐熱合金の加工に用いられます。

次回のお役立ち情報は、超硬以外の材質 まとめ、です。

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