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野原の春秋(小百姓のちょっとした考察)・・・2.まず蓬が優勢に、遅れてすすきの台頭

2021.05.10

Author name
久保 英彦
元防衛省研究所部長、元多摩川精機(株)顧問
株式会社TOSAMACHINE 顧問

「野原の春秋(小百姓のちょっとした考察)」シリーズ・

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2.まず蓬が優勢に、遅れてすすきの台頭

月日が経つにつれて、しっかりした根を持ち背丈が高くなるすすきと蓬が段々と頭角を現してくる。植物の世界において、背丈というのは、かなり決定的な力を意味しているようである。初めのうちは断然、蓬の方が優勢である。蓬が全面に亘り勢いよく生育してくるのに対して、すすきは相変わらずぽつりぽつりのままで、一見、この天下は蓬が握ったかのように見える。

何年か経ち、世代を重ねているうちに、株を少しずつ拡大してきたすすきが蓬の天下を脅かすようになってくる。蓬は、毎年できる種子を足元に多く落として、周辺に数多くの小さい株で群生するのに対し、すすきは、種子は遠くへ飛ばしてしまうが、自らの株を年々拡大していって大きな堅固な株へと成長していく習性がある。これはあたかも、蓬の信徒の群れのような無組織の大軍の中へ、すすきは、落下傘で飛び込み陣地を築き、次第に組織を固めていって勢力を拡大していく勇敢な軍隊のようなものである。

こうして、すすきが優勢になり、野原はすすきの穂の花盛りになる。しかも、すすきの株は、隣同士は適度な距離を保ち、その合間には蓬にもその他の草にも程々に生育の余地を許すのである。勝利しても節度を保ち、かつ驕(おご)らない態度である。すすきの天下は、比較的に長く続く。しかし、これで闘いはまだ終わらないのである。

 

 

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「野原の春秋(小百姓のちょっとした考察)」シリーズ、
その3.人間の係わり-里山的野原の平和の維持」はこちら>>
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