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日の丸ジェット旅客機への思いと次期戦闘機開発への期待・・3.結びに代えて(独り言)
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久保 英彦 氏
元防衛省研究所部長、元多摩川精機(株)顧問
株式会社TOSAMACHINE 顧問

3.結びに代えて(独り言)
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③ 戦闘機とのかかわり
④ 次期戦闘機の国内開発への期待
1.日の丸ジェット旅客機への思い-① ② をご覧になる方は、こちら>>
1.日の丸ジェット旅客機への思い-③ ④ をご覧になる方は、こちら>>
2.次期戦闘機開発への期待-① ② をご覧になる方は、こちら>>
2.次期戦闘機開発への期待-③ ④ をご覧になる方は、こちら>>
新型コロナの危機に際して、社会が成り立っていくためには、つまり社会が存立できる前提は、多くの人が職に就いて働いていることだということを肌で学んだ。政府、地方自治体は雇用の維持のために躍起になって動き出した。そうして、ゴーツートラベルのキャンペーンが始まった。
その中で、1つの航空機の開発プロジェクトが、ゴールまであと少しというところで、企業の経営の存立が危うくなり活動が凍結された。多くの人々が職を失いそうになった。航空機自体の需要がなくなるのであるから、コロナが収まるまではやむを得ない措置であろうが、やめてはならない、何とかこの時期を凌いで再起して欲しいという思いで本稿を書き始めた。プロジェクトが再開すれば、その要員の雇用は継続できる、さらに日の丸ジェット旅客機が世に出ればビジネスが拡大して、若者に対してさらに多くの雇用を生むことであろう。
このコロナ危機において、雇用の問題がクローズアップされているが、その前から雇用の問題はずっと進行していたのだ。例えば、人口知能(AI)によって多くの職業が消滅するとか、大学生が就活と称して数十社もの会社を受けなければならないとか。私としては、製造業というか、製造現場の海外への流出が止まらないことも心配している。今は日本で設計して、製造はコストを下げるために海外で加工するパターンが多いように思うが、それはやがて設計も海外へ流失してしまうことに繋がるのではないか。その中で、航空機産業は、国内に製造現場を多く残している製造業の代表である。その中で進行しているプロジェクトが挫折しそうになっている、未来の日本の若者の雇用の創出の危機ではないかという思いに駆られた。これが本稿の動機である。
航空機に関してもう一つ、官需の動きがあって、長年の念願である戦闘機の国内開発が始まったのである。しかも、ジェット旅客機と同じ企業が主担当である。同じ企業で同時期に2つのプロジェクトが動き出すとすれば、人員のやりくりが大変になる。そこで、1つはやむなく凍結になれば、人員のやりくりの面では少し楽になりはしないか、時期的に少しずれれば新しい要員の準備もできる、両立には好都合な状況ではないかなど、余計な考えも湧いてきた。
戦闘機の場合は、関係する会社の技術の飛躍的な向上が期待でき、産業の裾野はさらに広くなり1000社にもおよぶ企業が関連し、多くの企業における幅広い多くの雇用を創出できる可能性を秘めている。
ゴーツートラベルのまず人を動かす戦略は、雇用の維持創出の即効的なグッドアイデアとして評価できるが、航空機の開発プロジェクトは将来に向かって裾野の広い、息の長い雇用の創出が期待できる策である。
