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日の丸ジェット旅客機への思いと次期戦闘機開発への期待・・1.日の丸ジェット旅客機への思い-③-④
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久保 英彦 氏
元防衛省研究所部長、元多摩川精機(株)顧問
株式会社TOSAMACHINE 顧問

1.日の丸ジェット旅客機への思い
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③ このプロジェクトの再開への願い
④ このプロジェクトへの更なる思い
1.日の丸ジェット旅客機への思い-① ② をご覧になる方は、こちら>>
③ このプロジェクトの再開への願い
新型コロナの感染の拡大の峠はまだ見えていないが、英国、中国、米国等多くの国で既にワクチン摂取が始まり、我が国でも始まろうとしている。しかし、世界の航空旅客業の全面的回復には4年程度かかるとみられている。日の丸プロジェクトの凍結は、企業が、この期間を耐え忍ぶための緊急的な対応策であろうし、三菱重工業としても撤退するつもりはないようだ。
40年以上ぶりの国産旅客機の出現は、航空に関連する産業にとっては悲願であり、先進国家としてのステータスと面子(めんつ)がかかっていると共に、国民的には、今後数十年先にわたって大きな雇用を創出する源泉として期待される。ものづくりの海外移転で産業の空洞化が進んでいる我が国において、航空機産業は、国内に製造現場の多くを残している数少ない分野である。このプロジェクトが再開され、日の丸ジェット旅客機をビジネスとして成功させる意義は大きい。
日本の中部地方は、戦前から航空機産業とのゆかりが深く、現在においても航空機およびそれに関連する部品等を製造する会社が多く存立して、我が国の航空機および部品の生産の中心的な役割を担っている。私が勤めた長野県の会社も、航空機部品の加工や組み立てを行う中部地方における中小企業の集まり「クラスター」に属していて、このプロジェクトに対しても技術者を派遣したりして協力して来た。このように、さまざまに協力してきた数百社にもおよぶ多くの関連会社のためにも、このプロジェクトの再開を願っている。
④ このプロジェクトへの更なる思い
さらに個人的には、このプロジェクトに直接関わった友人知人への思いがある。
まず、現役勤務時代、仕事の関係で知り合い、開発中のシステムの試験で伊豆諸島の新島で親しくお付き合いさせていただいた、当時三菱重工業のK氏。彼は、三菱航空機の副社長、社長として、この航空機の完成にリーダーとして貢献された。社長をされていた頃、新年の賀詞交換会かどこかで一度お会いしたこともあった。航空機の設計の専門家であったと聞く。この日の丸ジェット旅客機が世界の空を飛ぶ日を万感の思いで待っているに違いない。
もう一人、私が勤めた長野県の会社からこのプロジェクトへ派遣された人員のうちの一人、F君。彼とは非常に仲が良く、長野県での会社勤めをより楽しくしてもらった。日の丸ジェット旅客機の相次ぐ納期延期の報に気をもみながら、この航空機の納入開始を待ち望んでいる。
